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線維筋痛症


 今日は線維筋痛症についてお話したいと思います。耳慣れない言葉ですね。膠原病?リウマチ?整形外科疾患?違います。潜在患者は国民の2%とも3%ともいわれています。やっと厚生省の研究班が立ち上がったばかりで原因はいまのところ不明です。からだの全身あるいは局所に痛み、痺れなど、あるいは不眠、頭痛、微熱、疲労感等症状は多彩です。内科的血液検査たとえば炎症反応の指標である血沈、CRP、白血球等にはまったく問題が在りません。腰痛といってもヘルニアがひどいわけではない。リウマチといわれてもCRP、RAHAが正常といった具合です。整形外科にずっと通っているが疼痛、痺れがおさまらない。しかたがないから接骨院に通ってマッサージをする、低周波、超短波といった電気をする、ということになります。NSAIDSといった消炎鎮痛剤がまったく効かないということもあります。一応全身の18箇所の圧痛点を調べますが、まったくないひともいます。それではこういう人はどこへ行ったらいいんでしょうか。現在では日本リウマチ学会で一応この疾患がとりあげられており、リウマチ、免疫の勉強をしているドクターであれば相談できるはずです。
 私なりに原因をさぐると、やはり過去のウイルス感染(いわゆる免疫、抗体を作るということ)、加齢、動脈硬化、ストレス等が問題ではないかとおもいます。免疫学的には炎症のくすぶり(いわゆる炎症の火種)である補体の値に異常が若干みられるような気がします。
 それでは痛みの治療はどうすればいいのでしょうか。まずは交感神経の緊張状態をブロックする。これは頚部に星状神経節とうい神経がありここを注射あるいは低出力レベルレーザーでブロックします。しかしこれだけでは効果は不十分です。抗不安薬、抗うつ薬、抗てんかん薬といったお薬を症状にあわせてつかいます。どうして心身症でもないのに抗不安薬が効くのか、うつ病でもないのに抗うつ薬が効くのかわかっていません。これはこれからの課題ですが、たしかに効きます。人間には自己という自分で自覚する、考える、といった意識した自己とid(ギリシャ語)という潜在下の自己があります。たぶんidの世界の閾値をあげて症状の認識を押さえる働きをしているのではないかと私は思っておりますが、これは治療診断であり、根本原因が分かってくるとまたはっきりした治療のプロトコールがでてくるとおもいます。
 それから症状の緩和に非常に有効なのが運動です。痛いといって閉じこもらない、身近な人に話を聞いてもらう。少し筋肉をいじめてみる。というのが有効です。これは毎日やる必要はありません。毎日やると逆効果です。30歳代は3日に一度、40歳代で4日に一度、50歳代で5日に一度といった具合でやります。(生活習慣病改善目的の有酸素運動については別です)紙面がなくなったので機会があったらまたお話します。

2003.10.25 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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