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星状神経節ブロック


 今日はペインクリニックの約60%を占める星状神経節ブロックについてお話します。神経ブロックには知覚神経、運動神経などの体性神経を対象とするものと、交感神経を対象とするものがあります。使用薬剤によって局所麻酔薬を使用する場合と、神経破壊薬を使用する場合があります。星状神経節ブロックの対象は頚部交感神経で通常は局所麻酔薬を使用します。星状神経節は解剖学的には第6,7頸神経節からなる下顎神経節と第1胸神経節が癒合して形成されたもので、星状の形をしていることから星状神経節と呼ばれています。
 適応は幅広く、 1)交感神経に依存する疼痛の改善、2)交感神経遮断による血管拡張、血流改善、 3)抗炎症作用、4)交感神経の過緊張による自律神経系の不均衡の是正、などがあります。
 具体的な適応疾患としては、自律神経失調症、多汗症、パニック障害、甲状腺機能障害、不眠症、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹、片頭痛、群発頭痛、花粉症、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、めまい、メニエル病、顔面神経麻痺、突発性難聴、上肢血行障害(レイノー症候群、急性閉塞動脈症、Buerger病)、頸腕症候群、椎間板ヘルニア、肩関節周囲炎、外傷性頚部症候群、関節リウマチ、狭心症、慢性気管支炎、過換気症候群、気管支喘息、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、月経異常、月経困難症、更年期障害、神経因性膀胱、頻尿、前立腺肥大症、ネフローゼ症候群、腰部下肢痛、膝関節症、下肢静脈瘤、両上下肢末梢神経障害、などなど数え上げたらきりがありません。
 どうして、これほどまでに適応があるのか医学的にすべてが分かっているわけではありません。しかし、腰椎椎間板ヘルニアで手術をしたがあまり痛みがひかない、自律神経の薬をもらっているが不眠で眠れない、潰瘍性大腸炎で数年内服しているがやはり粘血便が時々出る、アトピー性皮膚炎で内服もステロイド軟膏もつかって皮膚科にかよっているがなかなか良くならない、といった訴えはよくききます。これらは、元々の原因に自己免疫疾患や循環障害といった基礎疾患があるわけですが、それと同時に交感神経の緊張状態が関与していて病気本体そのものもそうですが、症状自体が緩和されないのです。星状神経節ブロックはこういう人には非常に威力を発揮します。
 方法は前述のように週1,2回のブロックを30回目標に行いますが、もともと交感神経緊張状態の患者さんにブロックするのですから注射による迷走神経反射、ショックなどがまれですが起こりえます。当院ではこれを避けるために外来に週3回から4回受診できる患者さんには低出力レベルレーザーによる星状神経節ブロックをおこなっています。効果は注射でおこなうのと差はありません。低侵襲で痛みもなく10分程度でおわります。回数もだいたい注射と同じです。詳しく話しをお聞きになりたい方は受診してください。


2004.7.1. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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