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新型コロナウイルス その57 かぜ症候群


 日本呼吸器学会のホームページを開けば、一般的に風邪と言われている疾患「かぜ症候群」の定義が詳しく書かれています。「概要」には、鼻腔から喉頭までの気道を上気道と言いますが、この部位の急性の炎症を呈する疾患のことを言います。時として、下気道(気管、気管支、肺)にまで波及することがあります。「疫学」には、あらゆる年齢層に発症し、健常な人の大半が罹患するごく普通の疾患と書かれています。「原因」は80〜90%がウイルスで、ライノウイルス、コロナウイルスが多くその後、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続く、ウイルス以外では一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなどの特殊な細菌も原因となる、と書いてあります。2019年度、日本人の死因の第1位は悪性新生物(がん)で、27.4%、2位が心疾患で15.3%、3位が老衰で8.0%、4位が脳血管障害で、7.9%、5位が肺炎で6.9%となっています。肺炎で亡くなる人はおよそ10万人と考えられますが、老衰やがんの末期、脳血管障害で寝たきりになって、その後肺炎になる人を合わせると、肺炎で亡くなる人はその2〜3倍になると思われます。肺炎の一次感染巣は上気道です。かぜ症候群の原因の15%はコロナウイルスです。現在までに、急性の炎症を起こすウイルスとして新型コロナウイルスを含めて7種類が同定されています。1億2千万人が年に2度風邪をひくと仮定すると、およそ3600万人がコロナウイルスによる「かぜ症候群」に罹患していることになります。新型コロナウイルスを「かぜ症候群」と区別する方法を考えてみると、病原体はどちらもコロナウイルスですから区別はできません。PCR検査では旧来型のコロナウイルスを検査していないので、新型コロナウイルスを区別するのは不可能です。症状はどちらも、鼻水、鼻づまり、咽頭痛、発熱、全身倦怠感、頭痛、咳、痰と全く同じです。「診断」は咽頭ぬぐい液から、インフルエンザ、マイコプラズマなどの抗原検査、あるいは初診時と2週間後の血液の検体から抗体価の上昇を確認して診断します。肝心なのは「治療」です。ウイルス性のかぜ症候群であれば、99.9%が安静、水分、栄養補給を心がければ、大半は自然免疫で治癒します。熱でウイルスが死んでしまうので解熱鎮痛剤はかえってよくありません。扁桃に細菌感染を疑わせる分泌物が認められるときには抗菌薬が必要になる場合があります。「かぜ症候群」の予後は良好です。かぜで誰かが亡くなったという話は聞きません。そもそも「新型」という「コロナウイルス」を見た人は誰もいません。ただ、今年1月、中国武漢で発生した感染症についての論文で、遺伝子の断片が以前のコロナウイルスと違うものがあったというだけです。2週間後にはWHOがそれを「新型」と認定しました。GenBankに遺伝子を登録するのに審査はありません。誰でも登録できます。新型コロナウイルスで重症化した人のほとんどに、糖尿病や高血圧、血管障害などの基礎疾患があることがわかっています。かぜ症候群でも基礎疾患があれば重症化しやすいのは同じです。世界中で、新型コロナウイルスで亡くなった人の平均寿命は、その国の平均寿命と同じです。当院でPCR陽性になった人をみてみると、やはり普通の風邪と区別がつきません。保険対象外で陽性になる人の率も同様に4〜5%程度です。これも区別がつきません。日本人すべてを対象にしても同じ結果がでるのではないかと思います。現在、マスク、ソーシャルディスタンス、3蜜を避ける、隔離と、うるさく言っていますが、過去にインフルエンザが大流行した時でさえ、こんなことはありませんでした。新型コロナウイルスはただの風邪か、それ以下にしか思えません。


2020.10.28. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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