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新型コロナウイルス その71 インフルエンザがなぜ少ないか?


 厚生労働省は毎週、全国のインフルエンザ患者数を公表しています。それによると8月31日〜11月29日の13週間の患者数は263人です。昨年同期が9万8279人でしたので、昨年に比べて、99.7%も減少しています。昨シーズンは11月4日の週(45週)から流行シーズンに入りましたが、今シーズンは週ごとの報告数が100分の1以下です。専門家の間で理由は4つ挙げられています。1.多くの人が新型コロナウイルスの感染予防でマスクや手洗い、3密を避ける、ソーシャルディスタンスをとる、大声を上げない、などの対策をとっている。インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスも飛沫、接触感染なので、これが予防につながっている。 2.今年は3月以降の渡航制限で海外との人的交流が減少した。流行が半年ずれる南半球や季節を問わず流行している熱帯・亜熱帯地域からの入国者が少なく、これがインフルエンザの流行を抑えている。実際、交流の多いオーストラリアやニュージーランドでも今シーズン、インフルエンザの流行が少なかったことも一因と言える。 3.新型コロナウイルスとの同時流行の警告が早くからおこなわれ、予防接種が早期から行われた。ワクチンの供給量は3187万本、6356万人分で、昨年より7%多く、実際にワクチン接種した人も昨年から12%増えている。多くの人がワクチンを接種すると当然インフルエンザ患者が減少する。 4.新型コロナウイルスは咽頭、気管支のACE2受容体を介してヒトの細胞に侵入する。インフルエンザも同経路を通るため、「ウイルス干渉」が起こり、同時流行を食い止めることになる、これは仮説です。以上が専門家の考察です。その他の冬季のウイルス感染症である水痘、手足口病、流行性角結膜炎、RSウイルス感染症、ノロウイルス、ロタウイルス感染症も減っています。やはり、新型コロナウイルス感染対策が功を奏していると考えられる。しかし、決して油断はできない、ある集団や地域でインフルエンザ感染のクラスターが発生すれば、あっという間に感染が拡大する。気を抜かずに生活する必要がある、と専門家は語っています。気を抜くもなにも、今日本人の置かれている状態はまるで拘置所暮らしです。マスクをしていないとすぐに睨まれます。大声を出すとすぐに注意されます。ホテルやレストランに入る時は必ず体温を測られます。気を抜く暇がありません。私は、広い海でゆったり波に揺られているときが一番落ち着きます。マスクもソーシャルディスタンスも何もありません。人の会話は遠くでレース艇が騒いでいるときぐらいです。臨床医の立場から少し考えてみたいと思います。今、連日感染者数が過去最高を記録しています。これはPCRのせいです。「新型コロナウイルス その70 抗原検査」にあるように、新型コロナウイルスの場合、PCR陽性者を抗原検査で行うと、7%の陽性率です。これは感度です。特異度は抗原検査が50〜80%に対して、PCRは99%です。これではインフルエンザウイルスを検出する前に新型コロナウイルス感染症と診断されてしまいます。まず、発熱外来に行くと、PCR検査が行われます。現在唾液で検査ができるため、わざわざ綿棒を咽頭に入れる必要がありません。医療者側も安心して検査ができます。そのためインフルエンザの抗原検査そのものが減っています。その他、冬季に流行る感染症も同じです。発熱したら、まずPCRを行い、新型コロナウイルス陽性か陰性かを判断します。インフルエンザウイルスの増殖速度は新型コロナウイルスの1万倍です。もしも、インフルエンザウイルスの検出に抗原検査ではなくて感度がはるかに高いPCRを使えば、昨年を上回る感染者数になると思います。政府も専門家もわかっていてそんなことはさせません。今、インフルエンザやその他のウイルス感染症をPCR検査するのは現実的ではありませんが、もしそうすれば、日本の医療は数日で崩壊します。


2020.12.8. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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