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新型コロナウイルス その109 千日手


 最近また感染者(=PCR陽性者)が増えてきました。9月20日に「従来型」、「オミクロン株対応型」の二価ワクチン接種が始まったばかりです。生後6か月から4歳までの乳幼児にも接種が始まります。3回目までと同様に、接種開始後1か月を過ぎてから、感染者が急増しています。どうもワクチンが追い風となっているようです。ヒトがウイルスや細菌に感染すると、ほとんどが自然免疫で撃退します。当院で、これまで1200名を超えるPCR検査を行いましたが、自然免疫をすり抜けて、入院に至るほどの肺炎は3人しかいませんでした。全員回復しましたが、これは獲得免疫がウイルスを撃退したからです。獲得免疫とは抗体と細胞性免疫です。一度ウイルスにかかって発症し、その後回復すると抗体価が上昇します。一番の対策はこの患者の血清を使って、ウイルスに感染しても発症しないような薬をつくることですが、これが今まで一度も成功していません。実際にウイルスが存在するならば、できないはずはありません。そのため、世界の製薬大手は遺伝子情報を基に、いっせいにワクチン製造に走りだしました。9月13日に将棋の王座戦五番勝負、第2局がありました。これが、めずらしい「千日手」となりました。駒の配置、対局者の持ち駒の種類や数、手番が全く同じ状態が1局中に4回あらわれると千日手となります。これは将棋が前に進まないからです。千日手になると、その将棋は手番を変えて差し直しになります。連続王手の場合は王手を仕掛けている側が千日手の成立条件をみたした場合に反則負けになります。将棋は差し直しができますが、感染症に差し直しはできません。したがって方法は反則負けしかありません。それをしたのがニュージーランドです。ニュージーランドは観光業が支えている国です。この2年半の経済の停滞は日本の比ではありません。アーダーン首相の英断で9月12日をもって、水際対策をやめました。入国するのに接種証明は必要ありません。マスクもPCR検査もやめてしまいました。要は全くコロナ禍以前の日常に戻すということです。感染者の報告義務もありません。1か月半が経過しましたが、何の問題も起きていません。日本ではいまだに、病院や施設に面会に行く時、3回のワクチン接種証明書が必要です。また、何か病気で入院する時は必ずPCR検査が必要です。当院から重症患者を大病院に転送する時、必ずその病院の医療連携室から、ワクチン接種とPCR検査の有無を聞かれます。専門家は新型コロナの予防にはワクチンしかない、接種後の中和抗体が1.5倍に上昇していると説明しています。しかし、これもPCRを使っています。また、ワクチンが免疫を下げると真逆の説明をしている専門家もいます。この説明もよくわかりません。PCRは遺伝子の断片であれば、なんでも検出してしまいます。プライマーとなる塩基はわずか20塩基×2です。ウイルスの検出にPCR、抗体価の測定にPCR、ワクチンの効果判定にPCR、新しい株の遺伝子解析にPCR。ワクチンを接種したかどうかもPCRでわかります。感染者が急増するのは当たり前です。これまでワクチン接種をためらっていた人が、だんだん不安になって、ワクチンを接種しようとした場合、今のオミクロン株対応ワクチンではなくて、最初の1回目から始めます。乳幼児も同様です。本当に大丈夫なのでしょうか。答えはPCR(=千日手)が判定します。

 


2022.10.31. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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