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新型コロナウイルス その114 コロナ後 その2


 4.アレルギーの増加;アレルギーはTh1、Th2サイトカインのバランスの傾きで発症しますが、その素因は小さい頃に受けた皮膚・粘膜感作にあります。リン脂質代謝にアラキドンカスケードがありますが、細胞性免疫に移行するか、アレルギー性免疫に移行するかは、3、4歳までに決まってしまいます。通常の炎症は細胞性面免疫でフォスフォリパ−ゼA2を介してPG,TXに移行しますが、感作を受けてしまうと、これがブロックされLTに移行します。私が医師になったころは、スギ花粉症という言葉がなかったくらいですが、現在国民の2人に1人がスギ花粉症です。慶応大学の医学部生100人にスギ花粉の抗体を調べると、症状のある学生は2割程度ですが、90人にスギ花粉の抗体が認められました。したがって、この学生たちはいずれ発症する可能性があります。日本にスギが多いのは、戦後大規模に植林したためです。約80年たちますが、スギ花粉を飛ばすのは雄蕊で、人間でいうとちょうど20歳前後ですので、まだ数十年は続くでしょう。戦後、核家族化が進み、戸建て、マンション住まいになり、人とのかかわりが少なくなりました。そのため清潔になったのはいいのですが、細胞性免疫が低下しました。リン脂質代謝は当然アレルギーに移行します。ここにコロナ流行時の感染防御対策が追い打ちをかけました。人間の体のDNAは95%がウイルス由来のジャンクDNA(いわゆるガラクタ遺伝子)です。ヒトの役に立っているのは約5%のDNAです。ヒトは一人では生きていけません。細菌やウイルスを、お互いにやり取りしながら、うまくバランスをとって生きています。白血病で骨髄移植した患者を細菌やウイルスから守るため、しばらく無菌室に入れますが、それは治療中の数日間だけで、できるだけ早く無菌室から出します。これは、細胞性免疫が低下するからです。健康な人を長期間無菌室に入れると、出すことはできません。いずれ免疫が低下し、死んでしまいます。5、がんの増加;2020年2月、横浜にクルーズ船がやってきて、日本中がパニックになりました。がん検診は早期発見、早期治療が基本ですが、日本中の医療機関にPCR検査が殺到しました。病院は健診どころではありません。日本消化器内視鏡学会、日本呼吸器内視鏡学会は、早々に半年の自主規制を決めました。コロナが終息して、ほぼ2年たちますが、そのつけが回ってきています。日本のがん死は、1.肺がん 2.大腸がん 3.胃がん この3つで約30万人/年です(全がんで約38万人/年)。いずれも内視鏡検査が不可欠です。国立がんセンターの統計では、コロナ後、このがん罹患率が35%増加しています。当院では年に数人だったがんが、月に数人に増えました。時に進行がんで見つかることもあります。この傾向はしばらく続き、残念ながらコロナ死(約1,2000人)をはるかに上回っています。6;麻疹の増加;世界中で麻疹が増加しています。日本では、今年4月12日までに299人の患者が報告され、昨年1年間の患者数265人を上回りました。感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染、いずれも感染力はインフルエンザの約10倍、肺炎や亜急性硬化性全脳炎が有名ですが、1000人に1人の割合で死亡します。これは、コロナ禍の免疫低下に加え、ワクチン接種ができなかったか、あるいは病院に行くのを控えたのが原因ではないかと思います。麻疹だけではなく、小児感染症全般が増加しています。7.インフルエンザの減少;コロナ禍の感染対策でインフルエンザは減少しています。飛沫感染ですので、近くにいればすぐに感染しますが、手洗い、うがい、マスク、消毒が徹底されていたため、コロナ以前のように毎年やってくるインフルエンザの大流行はなくなった感じです。以上思い付くままに書いてきましたが、コロナ前とコロナ後では日常診療が一変してしまいました。

 


2026.4.24. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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