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新型コロナウイルス その3 世界3大感染症


 世界三大感染症といえば、結核、エイズ、マラリアです。アフリカや東南アジア等、中低所得国で発症が続いています。今まで数億人が亡くなりました。マラリアは今でも年2億人の発生があります。アフリカの人口の約半数の人はエイズで命を落とします。毎年コロナの数百倍の人が死亡しています。この三大感染症で死亡する人は今でも1日7000人にも上ります。今まで注目されてこなかった途上国で日常的に起っていることが、今まさに先進国で現在進行中です。これから中低所得国に新型コロナウイルスが蔓延することになれば、まさに欧米諸国どころではありません。WHOのグローバルファンドがこれらの国にたいして支援を行っていますが、本部はジュネーブにあります。しかし、スイスも外出禁止令、緊急事態宣言が出されています。これから支援が滞る可能性さえあります。
 新型コロナウイルスの感染者はアメリカでは16万人を超えました。イタリアでは死者は8000人を超えています。都市封鎖(ロックダウン)が行われ、人々は不自由な生活を余儀なくされています。日本でも、帰国者を中心に今後指数関数的に増えていく可能性があります。NewYork州ではクオモ知事がVentilator,Ventilator,Ventilatorと叫んでいますが、重症化した肺炎が人工呼吸器を使って助かる命は半分もありません。もともと、重症化率は5%程度ですが、重症化しないように初期初動が大切です。調子が悪ければ、仕事を休む。無理をしない。十分な睡眠、栄養をとる。適度な運動をする。酒、たばこを控える、などなど日常的に当たり前のことをしていれば、重症化は防げます。決定的な治療薬がない今、最初の2週間を乗り切れば自然と免疫が作動してきます。そのための自己管理が大切です。
 心配は新型コロナウイルスが今後どのような経過をたどるかです。近代最初のパンデミック(スペインかぜ H1N1)が参考になります。世界の人口の3分の1(5億人)が感染し、5000万人がなくなった、ということになっています。この感染は1918年1月から1919年12月まで続きました。どうやってこの感染が終息したのかを考えれば、答えは見えてきます。今のように治療薬もワクチンンもない時代、どうやって2年足らずで終息したか。それは、集団免疫がカギになります。実はH1N1の感染者は5億人ではないのです。症状が出現しなかった人がその何倍もいたはずです。ほとんどすべての人が感染すれば、集団で免疫(抗体)ができます。世界の人口の70%、10億人以上の人が感染していたはずです。現在H1N1にはワクチンがあり、日本では毎年4000万人近い人がこのワクチンを打っています。したがってパンデミックにはなり得ません。
 気がかりなことがあります。今、政府・専門家会議で新型コロナウイルス対策会議が盛んにおこなわれ、オーバーシュート(感染爆発)を防ごうとしています。わずか2〜3週間でいいのです。なぜ日本でも欧米諸国のよう都市封鎖(ロックダウン)を行わないのか私にはわかりません。医療崩壊してからでは手遅れになります。世界三大感染症が対岸の火事であったように、内閣府の大臣、専門家会議の委員に感染が確認されて初めて緊急事態宣言をするのでしょうか。


2020.4.1. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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