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新型コロナウイルス その6 集団免疫


 新型コロナウイルス感染症についてこれまでの経過を少し整理し、これからの展開を考察してみたいと思います。現在、感染者数は日本では12,388人、死者317人。世界では2,532,161人、死者は175,394人です。世界全体を見回すと西サハラ、トルクメニスタン、タジキスタン、ミャンマー等数か国に感染例の報告がありません。アジア、アフリカ諸国では圧倒的に重症者、死者数が少ない状態は変わっていません。疫学的にBCG接種が感染を食い止めている状態ですが、WHOは関連性を認めようとはしていません。これは、WHOが主導してヨーロッパ諸国、アメリカでのBCG接種をやめさせたわけで、自分で非を認めるわけにはいかないからです。ドイツやオーストラリアでは医療従事者があわててBCG接種を行っています。先にも述べましたが、BCG接種はかぎられた財政のもとにアジア、アフリカ諸国にUNICEF、WHOが主導して行っています。先進国が再開すると、それでなくても中低所得国ではエイズ、結核、マラリアで年300万人が亡くなっている状況です。これは本末転倒で、先進国がBCGワクチンを横取りすることは許されません。新型コロナウイルスの影響で、今年は死亡者が600万人を超えるとWHOは予想しています。埼玉で自宅待機中の患者さんが、翌日死亡した例が報告されたため、自宅待機をやめて感染者を一か所に集める案が浮上していますが、これはこれから増える感染者数を考えれば物理的に不可能です。保健師は夜間胸痛、呼吸困難の電話があった時点で病院に搬送すべきで、初期初動が間違っていただけです。一か所に集めても同じようなことは起こり得ます。病院に入院する時には必ず感染症にかかっていないかどうかの検査が行われます。C型肝炎、B型肝炎、エイズ、梅毒等です。慶応病院に入院するはずだった患者67人を調べてみると、その中に新型コロナウイルスに感染している人が4人、約6%いることが分かりました。感染するタイミングは潜伏期を平均約9日間とすると、この人たちは発症2、3日前の人から感染しているはずです。すでに市中には12〜16%の新型コロナウイルス感染者あるいは既感染者がいると推定されます。4月23日、ニューヨーク州で無作為に選んだ3,000人に新型コロナウイルスの抗体検査を行った結果、14%が抗体をもっていることがわかったと報告されました。これは州全体では270万人に相当します。すでに26万人の感染がわかっていますので、ニューヨーク州の約7人に1人以上が感染あるいは既感染者と推定されます。その間、約2カ月ですので、今までの増加傾向を考えると、今後1か月もすれば60%以上の人が抗体を持つことになり、集団免疫が成立し、終息に向かうと考えられます。日本では1月15日から4月19日までに濃厚接触が疑われてPCR検査を受けた人が94,826人、そのうち陽性だった人が10,608人で10.9%でした。しかし、まったくの無症状で陽性の人が6%いるということは、もうすでにニューヨーク州と同じで今抗体検査をすれば7人に1が陽性である可能性が高いと言えます。再感染がないと仮定すると、60%が感染するのにそう長くはかかりません。このままで行くとニューヨーク州と同様に集団免疫が成立するのは今後1か月から2カ月先ということになります。来月5月6日の終息宣言は当然無理な話ですが、6月後半か7月には終息する計算になります。日本で感染爆発が見られないのはすでに多くの既感染者がいるためだとも考えられます。


2020.4.24. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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