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過労死


 1986年12月から1991年2月までの51か月間に日本の景気は絶頂期をむかえた。これをバブル景気という。私はその頃、大学病院内の官舎にいた。世の中が好景気に浮かれていた数年間、まったく知らずに病院内で診療と研究に没頭していた。外に出るのは年に数回、学会や納涼会、忘年会程度だった。好景気の恩恵は全く受けていない。今問題となっている残業時間などはあってないようなものだ。なにせ1年中病院内で寝泊まりしていたのである。救急車がくれば、24時間いつでも対応しなければならない。私はこれが医師の仕事と思って、何の疑問も持っていなかった。というより医師として仕事ができることに幸せを感じていた。話したことはないが、他の先生も同じ気持ちだったと推測される。私はその後、大学病院を離れてからもずっと救急医療にたずさわってきた。今、長時間労働による過労死が話題になっているが、思い返せばその当時から医師にも過労死はあったような気がする。不整脈で突然死した先生もいた。過労死に至らなくても脳卒中で半身麻痺になった脳外科の先生もいた。まだ2人の子供はよちよち歩きだった。復帰に向けて一生懸命リハビリする姿は今も忘れられない。私がこれまで無事に仕事を続けられてきたことは、もしかしたら奇跡に近いことかもしれない。これから先いつまで仕事が続けられるかわからないが、毎日毎日を大切にして生きていきたいと思っている。


2017.11.21.練馬区 櫻田 二友
東京保険医新聞 2018年 新年特集号から

 

 

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