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奨学金破産


 私の父は、私が大学1年生の時、突然心筋梗塞を起こし、その後脳梗塞を併発し亡くなった。月3万円の仕送りが突然なくなってしまった。奨学金制度があると先生から聞かされ、急いで福岡県奨学会に駆け込んだ。弟もいるし、アルバイトをしても学生生活を続けるのは困難であることを説明し、叔父の一人に連帯保証人になってもらって、何とか108万円の給付型奨学金を受け取ることになった。この奨学金制度のいいところは、返済の期限がなく、利子もつかない。返せるときに返せばいい奨学金で、年に数万円ずつ返し、やっと最近返し終わった。40年以上前に福岡県奨学会にあわてて出した鉛筆書きの書類を見て懐かしい感じがした。こんな印鑑も何もない鉛筆書きの一枚の書類で、よく奨学金が支給されたものだと、福岡県奨学会には感謝してもしきれない。現在、学生のおよそ二人に一人が奨学金を借りているらしい。その中には給付型の奨学金はほとんどない。事情はいろいろあると思われるが、大学卒業後、社会人になってから、奨学金破産に陥る人が増えているという。その中には連帯保証人になった人もいる。勉強をしたいために大学にいく。その大学生活が続けられないために奨学金を借りる。借りた後、利子が膨らんで返せなくなる。これは、奨学金ではなくて、ただの消費者金融である。奨学金は無償、あるいは無期限給付型にすべきであると私は考える。教育をおろそかにする国に未来はない。


2018.11.22.練馬区 櫻田 二友
東京保険医新聞 2019年 新年特集号から

 

 

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