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マスク


 先日外来数千人の大病院に行くことがありました。驚いたのは職員も患者も全員がマスクをしていることです。入口の自販機で、2枚で100円のマスクを、ほぼ強制的に買わされました。コロナ禍の影響が今も残っていることを実感しました。日本の医療機関総数は約18万施設です。病院が約8,000施設、一般診療所が約10,5000施設、歯科診療所が約66,000施設です。厚労省の最新の「患者調査」によると、1日あたりの全国の推計外来患者数は約727万5,000人、入院患者数は約117万5,000人です。したがって、毎日845万枚のマスクが必要となります。それだけではありません。100床の病院では110〜170名の職員がいます。一般診療所では4〜6名の職員がいます。一般的な不織布マスクのフィルターの穴の大きさは約5マイクロメートル(μm)です。スギ花粉は約30μmなのでブロックできますが、浮遊しているウイルスの大きさは0.1μmなので、マスクの穴は簡単に通りぬけてしまいます。マスクの原料は今話題になっているナフサです。1枚(約3g)のマスクを作るのに必要なナフサは約10g。日本国内における家庭用・医療用を合わせた不織布マスクの年間流通量は約100億枚で、必要なナフサの総量は約5〜8万トン、必要な原油の総量は約15〜22万klです。先日ホルムズ海峡経由で伊勢湾に入港した出光丸の原油量とほぼ同じです。


2026.5.29. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
東京保険医新聞 令和8年 「消夏号」から

 

 

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